★このページの初出 2020年2月22日
★このページの最終更新日 2020年2月22日
5.村人はどんな存在か?
『ベロ出しチョンマ』という作品の中で、見逃しがちですが、実は重要な存在が花和村の村人だと、管理人は考えています。
長松の父親藤五郎が出府したのは、村人達と相談した結果です。
つまり村人は、藤五郎が処刑されることに大きな責任があるのです。
ここではその村人に焦点を当てて、その役割や責任などを考えてみたいと思います。
1.花和村の村人と藤五郎との関係
2.悪いのは誰か?
3.村人は誰か?
花和村の村人は、長松の父親藤五郎の出府に深く関わる重要な存在。
人数は数十人はいて、保身もある普通の人々だった。
作者は作中で登場人物の誰が悪いと名指しはしていない。
作者の誘導によって、藩側は悪者のような印象だが、殿様も役人も特別に悪辣ではない。
村人は、「武士支配の被害者」ではあるが、藤五郎一家には加害者となってしまっている。
藤五郎も、長松とウメには加害者となってしまっている。
被害者でも加害者でもある村人は、正邪善悪の人間くさい行動を取っている。
その人間くささを描くことで、作者は「村人は読者自身」ということを暗に伝え、読者が村人に共感できるようにしている。
村人のネガティブな面を少なく、ポジティブで優しい部分を多く書くことで、読後感を良くしている。
また村人に、今現在までずっと長松一家を悼ませることにより、読者自身の中にも一家を悼む優しい心情があることを伝えている。
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