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深読み 『ベロ出しチョンマ』!


★このページの初出 2020年2月22日
★このページの最終更新日 2020年2月22日

11.『ベロ出しチョンマ』が作品集のタイトルになったのはなぜか?


『ベロ出しチョンマ』は単独の作品名であると共に、作品集のタイトルにもなっています。

しかし、考えてみるとも何もわざわざ『ベロ出しチョンマ』をタイトルにしなくても、他にふさわしい作品があるような気がします。

例えば八郎』や『モチモチの木』は、それぞれ単独の絵本になるぐらいクオリティーの高い作品です。

しかも陰惨な雰囲気のある『ベロ出しチョンマ』より、もっと
キャッチーで万人受けしそうな内容なのです。

実際、作品集『ベロ出しチョンマ』を2つに分けた
愛蔵版では、もう1つの作品集のタイトルが『モチモチの木』になっています。

しかし最初に出版されたときのタイトルは『ベロ出しチョンマ』ですし、愛蔵版の一方のタイトルも『ベロ出しチョンマ』のままなのです。

作者はなぜ、タイトルにふさわしくないとも思われる『ベロ出しチョンマ』を
表題作にしたのでしょうか?

ここで考えてみたいと思います。


この章以降は、作品集『ベロ出しチョンマ』のことも書きますので、タイトルの前にそれぞれ「作品」「作品集」とつけて分かりやすくしようと思います。

1.作品集の構成
2.各パートの特徴
3.作品集『ベロ出しチョンマ』で作者が伝えたかったこと
4.『ベロ出しチョンマ』が作品集のタイトルになったのはなぜか


この章の要約


作品集『ベロ出しチョンマ』は、作品26、『はじめに』『プロローグ』『エピローグ』で構成され、大きく6つのパートに分かれている。

作品集には、多様な話、多彩な登場人物が登場する。

また現実を否定せず、辛抱や我慢や努力をして自分達が変わらないと状況は変わらないという内容の作品も多い。

そんな作品集で作者が伝えたかったのは、
「世の中には良い人もいれば悪い人もいる。強い人も弱い人もいる。良いことも悪いことも起こる。それが現実なので、その中で生きて行くしかない。

しかも、何の我慢も辛抱も努力もしないで幸せになれるほど世の中は甘くない。

ただ、誰かを責めたり境遇を恨んだりせず、我慢や辛抱や努力を続けて自分が変われば、花が咲くこともある。山だって動かせる。優しさがずっと人の中に生き続けることもある。

そんな力を持つ人は本来素晴らしい存在だから、花を咲かせたり山を動かせるような人なってほしい」
という人へのエールと期待だ。

作品『ベロ出しチョンマ』が作品集の表題作に選ばれたのは、、この作品集の意図を最も具現化した作品で、さらに最も内容が深く、印象にも残るから。


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