★このページの初出 2020年2月22日
★このページの最終更新日 2020年4月4日
11.『ベロ出しチョンマ』が作品集のタイトルになったのはなぜか?
1.作品集の構成
<ポイント>
作品集は本編26作品と「はじめに」「プロローグ」「エピローグ」に分かれている。大きく6つのパートで構成されている。 |
まず作品集『ベロ出しチョンマ』がどんな構成になっているのかを、初版時の作品集の原型をとどめていると思われるフォア文庫版で見て行こうと思います。
作品名と、管理人が要約した簡単な内容を記しておきたいと思います。
ネタバレになってしまいますので、作品集をお読みになっていない方はできれば読んでからご覧ください。
作品集『ベロ出しチョンマ』掲載作品一覧
※フォア文庫版の順番で掲載しています。
作品名 |
内容要約 |
はじめに |
父母・若者にこの本を捧げる。子供達には、父母・若者から話してほしい。 |
プロローグ
花咲き山 |
花咲き山の花は優しいことをすると咲く。命をかければ山も生まれる。 |
大きな大きな話 |
八郎 |
心優しき大男の八郎が、百姓達のために山を動かし、身を沈めて波をとどめた。 |
三コ |
心優しき大男の三コは、山に木を植えた。身をていして山火事を止めた。 |
東・太郎と西・次郎 |
自分勝手な太郎と、心優しき次郎は竜の脱皮を手伝った。東の村も西の村も救われた。 |
ベロ出しチョンマ |
心優しい長松は、処刑の時も妹ウメを笑わせた。 |
一の字鬼 |
一の字が書けなくて鬼になった太郎は、山に一の字を書き村を救ったが、今でも人に一を書かせる。 |
毎日正月 |
酒で働かない甚助の心優しき娘のハナは働き者。一揆の連判状にも名前を書いていた。 |
小さな小さな話 |
モチモチの木 |
臆病な豆太は、爺様を助けるために夜医者を呼びに行ったが、爺様が良くなると臆病に戻った。 |
なんむ一病息災 |
もし胸に青い鬼が住み着いて病気になっても、いたわって暮らせば長生きできる。 |
ソメコとオニ |
オニはソメコをさらったが、ソメコが元気過ぎて、俵をやるから迎えに来てと頼む。 |
死神どんぶら |
三郎治は死神に殺されかけたが、娘のカヤに助けられ、酒徳利と一緒に死神を川に投げ捨てた。 |
緑の馬 |
木は動けないが、緑の馬のように若葉を揺らし、山を豊かにし、国を豊かにする。 |
五郎助奉公 |
奉公が勤まらず夜の森で鼠を食べた五郎助は、鳥となり、夜「ごろうすけ ほうこう」と鳴く。 |
こだま峠 |
谷でカッコーと兄と弟が鳴き交わし、妹の小玉は二人が鳴く声を繰り返すだけだ。 |
もんがく |
もんがく坊が音丸にくれたのは一杯の飯と説教だったが、婆さまがくれたのは一生の飯だった。 |
浪兵衛 |
平戸屋浪兵衛は豪右衛門となって再び打ち首になった。しかしまた蘇って禁制の商売を続ける。 |
おかめ・ひょっとこ |
美しい田ッ子は湖で竜になった。夜に鏡を見ると竜になってしまうかもしれない。 |
白猫おみつ |
美しいおみつは殿様の嫁になるつもりだったが、山賊の勘九郎を倒した弥五の嫁になった。 |
空に書いた童話 |
天の笛 |
ひばりは太陽のかけらを地上に落として春を呼び、鳥達を救った。ひばりの声は春に鳴る。 |
春の雲 |
春の雲に乗っている赤ん坊達は、なだれで一緒に押しつぶされたアンネのモヨを探してるんだ。 |
ひばりの矢 |
黒雲おやじにひばりが射った矢は、地上に刺さり、麦となった。 |
ひいふう山の風の神 |
言いわけ小僧の与四郎は、風の神に走らされたお母ァを見て言いわけをやめた。 |
ドンドコ山の子ガミナリ |
弱虫のカッペィは、カミナリ様になったのかもしれない。 |
カッパの笛 |
秀はカッパに勝ち良い笛を貰った。カッパは安物の笛を田沢湖で吹いている。 |
天狗笑い |
留吉がミミッチイことを考えると、天狗の笑い声が聞こえ、元気になる。 |
白い花 |
ブンという白い花を守るために皆戦う。ロンはポーおじさんに「白い花四つテングも七つ」と歌った。 |
寒い母 |
朝鮮で、寡婦の親思いの子供達は、死んだ後七ツ星となった。 |
エピローグ
トキ |
孤独だがトキ婆は皆から慕われた。恋した澄枝さんもそうなってほしい。自分もそうなりたい。 |
このように、
「『はじめに』『プロローグ』『大きな大きな話』『小さな小さな話』『空に書いた童話』『エピローグ』の大きく6パートに分けられているのです。
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