★このページの初出 2020年2月22日
★このページの最終更新日 2020年2月22日
1.第1章の必要性
3.客観性の確保
<ポイント>
方言的な語り口調では、伝聞された物語を昔の人が話しているように感じられてしまう。そこで敢えて冷静な表現を使うことで、客観性と現在性を確保している。
この章の要約 |
例えば作者得意の方言的語り口で第1章を始めるとどんな感じになるでしょうか?
管理人が勝手に適当な方言的言葉に替えてみます。
「千葉の花和村にナ、『ベロ出しチョンマ』ちゅう人形があるのサ。チョンマは長松がなまったもんダ。このトンマな人形さ名前だぁ。」
どうでしょうか?(笑)
同じことを言っているのに、なんだか語り部の作り話や、他の人から伝聞された物語のように思えて来ないでしょうか?
また現在のことを語っているのに、年寄りが昔話を話しているように感じないでしょうか?
このように方言的言葉は、その「語り口調」によって、個人の主観や気持ちが強調されてしまうのです。
そこで作者は敢えて方言的語りを使わず冷静な表現を使うことにより、主観性を排して客観性を確保しているのです。
さらに方言的な話し方には、年を取った人が話す場合が多いという暗黙の了解があり、古い雰囲気が強調されてしまいます。
そこで、方言的な語り口調を排した現代文の冷静な表現により、今を生きている作者が語っているという現在感も同時に確保しているのです。
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【この章の要約】
第1章で方言的な言葉使いをしていないのは、客観性と現在性を確保するため。
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