★このページの初出 2020年2月22日
★このページの最終更新日 2020年2月22日
10.『ベロ出しチョンマ』の急所
これまで深読みして来たように『ベロ出しチョンマ』は、作者が細かいテクニックを駆使して、主題や教訓、希望などが無理なく隠されているという、短編の見本のような作品です。
言葉を選びに選び、普通なら必要だと考えられる内容も削ぎ落とし、読者の想像に任せられるところは徹底的に任すという、短編のあるべき姿を具現化するような大傑作だと管理人は考えています。
しかし、短所のない作品というのは存在しないとも管理人は考えています。
この『ベロ出しチョンマ』といえども、例外ではありません。
やはり急所があると考えているのです。
そこで、ここでは管理人の考える急所を挙げてみたいと思います。
1.『ベロ出しチョンマ』の急所
短編の見本のような『ベロ出しチョンマ』にも、急所はある。
1つ目は、磔による処刑場面も出て来てストーリーが重いこと。読む気が起きにくく、読後感も爽やかではなくなってしまった。
2つ目は、画にしづらいこと。長松の『マヌケたツラ』は絵にするのは難しい。絵本になりにくいのは、子供も読む物語としては損。
3つ目で最大の急所は、主題が分かりづらいこと。重要なことも削り、読者の想像の枠を広げた結果、主題が伝わりにくくなった。主題が分かりづらいので、読者の評価も大きく分かれてしまった。
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