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週刊少年ジャンプ作品衰退の法則

★このページの初出 2021年4月11日
★このページの最終更新日 2021年4月18日

8.禁断行為が行われる


<このページの目次>
1.マンガ界にも禁止行為がある
2.物語展開上の禁断行為
3.作品制作上の禁断行為
4.その他の禁断行為
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1.マンガ界にも禁止行為がある
少年ジャンプが商業出版されている以上、日本のマンガ界で
「これをやってはいけない」
という禁止行為にしばられます。

代表的な禁止行為は、
・性描写や薬物の使用を煽るなど
作品表現における禁止行為
・表現物の無断利用や様々な誹謗中傷などで、特定の個人や法人の
権利を侵すなどの禁止行為
・賭博などの法律で禁止された禁止行為
などいろいろあります。

また少年ジャンプでは、読者である「少年」の生育に良くないと思われる表現を行わないなどの、
独自のルールもあると思います。

ここではそれら代表的な禁止行為ではなく、少年ジャンプ作品を衰退させると
観点から、
・物語展開上して避けなければならないこと
・作品製作販売上避けなければならないこと
・その他の避けなければならないこと
禁断行為と呼んで説明させて頂きたいと思います。

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物語展開上の禁断行為
少年ジャンプ作品を展開して行く上で、
「いくらフィクションでも、それをやっちゃいけないでしょう」
管理人が考える禁断行為をご説明させて頂きます。


1.死人がよみがえる
2.自分が現在のまま、時を巻き戻す・時を止める
3.夢オチ


1.死人がよみがえる

例えばバトル作品で、人気があるが死んだとします。

読者としては、その死は残念な部分もありますが、物語上の「正義」を貫くためには仕方なかったと
納得します。

しかししばらくして、その敵が死から完全によみがえったとしたらどう感じるでしょうか?

死は、そこで
全て終わりになるからこそ非常に重みがあり、味方も敵も避けたいと思うのです。

ところが死んでもよみがえることができるとなると、死の重みがなくなってしまいます。

死んでも大丈夫なら、
何をしても大丈夫。恐れるものは無い」
になってしまいます。

人を殺してもOK。
自分が死んでもOK。
死なないんだから、どんなひどいな行為もできる。

というように
「人を殺すのは悪」
という正義さえ無くなり、
物語の根幹が揺らいでしまうのです。


そのためジャンプ作品では、死から本当によみがえるという展開はまず起こりません。

しかし、
「死んだはずなのに
一時的によみがえる」
などのきわどいと思える展開のときがあり、そういった時は大抵作品は衰退して行きます。

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2.自分が現在のまま、時を巻き戻す・時を止める

もし僕が
悪の存在で、今の自分のまま時を巻き戻したり時を止められたりして、その間自分だけが自由に活動できるとしたら何をするでしょう。

自分の都合が悪くなると
時を止め、原因を排除するでしょう。
また
過去に戻って、そもそも都合が悪くならないように、根本原因を変えてしまうでしょう。

都合が悪くなる都度にそれを
繰り返し、現実を自分の都合の良いようにしかならないようにすると思います。

つまり時巻き戻したり、時を止められるというのことは、
「自分の
理想の世界が作れる存在になれる」
ということです。

「神」や「創造主」になれると言ってもいいかもしれません。

こんな存在が物語に登場したら、もう
登場した時点で他の登場人物は勝てません。

物語上でどんな事が起こっても時を巻き戻したり時を止めれば、全て無かったことにできてしまいます。

つまり時を巻き戻したり時を止められるキャラクターが出て来ると、もうそこで勝負は終わり、物語はストップしてしまうのです。

ですので、時を操ることのできるキャラクターの登場させるのは、禁断行為なのです。

少年ジャンプ作品でもまず登場しませんが、
「起こった事象を
無効化できる」
というきわどい技や魔法を使う者が登場することがあり、作品を衰退に向かわせるのです。

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3.夢オチ

言うまでもなく、少年ジャンプ作品は
フィクションです。
作者の創造の産物で、作りものです。

もちろん読者はそれを分かっていて読んでいます。

作り物と分かっていても、作品内世界が
現実的に感じられれば、登場人物に同化して、感情を分かち合って楽しめるのです。

しかし、その世界が登場人物の「夢」だったとなれば話は違います。

夢は何が起こってもOKですし、リアルでもありません。
なんでもOKな、言わば「
」と言っても過言でないのです。

フィクションの上に「夢」という「嘘」を重ねるので、読者にとっては全く現実感がなく、共感もできません。

まだ物語の途中で、
「これは登場人物の夢」
と分かれば読者も
なんとか我慢できます。

しかし物語の最後に、
「いままでのは全部夢でした」
と「夢オチ」してしまうと、読者はかなり
白けてしまいます

なので、夢オチは物語展開上の禁断行為なのです。

さすがに少年ジャンプでは明確な夢オチはありませんが、
「夢の中へ誘いこんで戦って、その結果が
現実に反映される」
というきわどい設定を行う場合があり、作品を衰退に向かわせるのです。

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作品制作上の禁断行為
少年ジャンプでは、雑誌や作品を売って儲けるという商業行為が行われていますが、その商売を優先させる余り、読者にとって有り難くない行為が行われることがあります。

それをここでは「
作品製作上の禁断行為」として挙げてみたいと思います。


1.他媒体の登場人物を突然本編に登場させる
2.商売を最優先させる
3.キャラクターの人気を優先させる


1.他媒体の登場人物を突然本編に登場させる

少年ジャンプのヒット作品は
メディアミックス販売方法により、様々な媒体に展開されることが多いです。

多いのはアニメ化・実写化などの
映像化
カードやオンラインなどへの
ゲーム化
おもちゃや食べ物などへ
グッズ化
そして、
ノベライズなどの文字化やマンガ化などです。

そしてそれぞれのメディアで
オリジナルキャラクターが作られることがあります。

そこまではよくあることなのですが、制作側の意図により、稀にそのオリジナルキャラクターが
勝手にジャンプ作品本編に登場することがあります。

これが行われると、その媒体を知らない読者にとっては、
全く知らないキャラクターが突然作品本編に登場」
することになり、大混乱します。

「本当にそんなことがあるのか」
と思われる方もおられるかもしれませんが、僕の読んでいる作品でも行われました。

このサイトでも取り上げている「ブラッククローバー」に、ノベライズのキャラクターが突然登場したのです。

僕は連載もコミックスも両方読んでいたのですが、先に連載を読んでいて全く知らないキャラクターが突然登場したのには
相当面くらいました。

後にコミックスで、ノベライズの登場人物だと書いてありましたが、僕はノベライズは読まないので、結局この登場人物達の詳しい素性は
未だに分かっていません。

恐らく少年ジャンプを購入し読んでいた
少年達もびっくりしたのではないでしょうか? 特にコミックスは購入せず連載だけを楽しみにしていた少年にとっては、あんまりだと思ったのではないでしょうか。

そのキャラクターについて詳しく知りたければ、ノベライズを
購入しなさいということなのでしょうが、な考えです。

僕は大人なのでノベライズを買えないことはないのですが、少ない小遣いでジャンプを購読している少年達には厳しい仕打ちです。

また、マンガを読む読者が必ずしも
小説であるノベライズを読むとは限らないので、そういう意味でも厳しいやり方だと思います。

僕はノベライズのキャラクターが突然登場したのが分かった時に、腹が立って「ブラッククローバー」を
読むのをやめようかと思いました。

恐らく腹が立ったり、訳が分からなくなって読むのをやめた読者もいると思います。

このように他の媒体のキャラクターを突然本編に登場させるのは、作品の
衰退を進めることにしかならないのです。

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2.商売を最優先させる

少年ジャンプの発刊元の集英社は、雑誌や本などを売って商売をしているので、ヒット作品が商売道具になることには、僕も全く異論がありません。

ただ、時折商売の方が最優先されていると感じることがあります。

例えば、ヒット作の映画が放映されるので、少年ジャンプの通常の連載を休んで、連動した特別編が掲載される。

例えば、ヒット作品の登場キャラクターが主人公のアニメが放送されるので、そのキャラクターが主人公の読切作品が掲載される。

例えば、ゲームのボーナスアイテムを入手するのに、ジャンプを購入して封入された番号を入れないといけない。

例えば、本編のアナザーストーリーが、週刊少年ジャンプではなく他のマンガ雑誌(『ジャンプ〇〇』など)に掲載される。

例えば、雑誌広告商品と連動したタイアップ作品が書かれる。

これらが読者が望んでいれば別なのですが、大抵制作側の企画として行われます。

読者は楽しみにしていた
連載が中断されたり、読みたくもない読切や雑誌を読まされたりします。

一部のコアなファンにとっては嬉しい事かもしれませんが、それ以外のファンにとっては
ありがた迷惑
な行為となってしまい、
頻繁に行うと作品の人気が衰退に向かってしまうのです。

僕は若い頃十年以上「
ビッグコミックスピリッツ」という青年漫画雑誌を購読していたのですが、全盛期のある時期からタイアップマンガやタイアップ記事が非常に多くなり、うんざりして購読をやめました。

タイアップだけが購読中止の原因ではありませんが、
大きな要因だったのは間違いないのです。

マンガ雑誌を購読する読者は、
マンガを愉しむためにお金を払っているのです。発刊側の商売を受けるために買っている訳ではないのです。

その大事な事実を忘れて、
広告料を得るためなどに商売を最優先させ続けると、確実に読者は離れて行ってしまうのです。

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3.キャラクターの人気を優先させる

少年ジャンプ連載作品は、周年記念とか何話記念とかで、
キャラクター人気投票が行われることが多いです。

なんのために行われるかを想像してみます。

1.キャラクター投票させることで、読者の作品に対する
親和感を上げる
2.キャラクターの人気を把握し、その後の
作品の展開に反映させる。
3.キャラクターの人気を、グッズ開発や映像化などのその他の
媒体開発に活かす。

このうち、一番問題なのは2の
「キャラクターの人気が物語展開に反映される」
ことです。

「人気があるキャラクターが出れば、作品の人気も上がる」
といった感じで、そのキャラクターの
出番が増えたりします。

例えば、人気のあるキャラクターが主人公より活躍してしまう。

例えば、人気のある敵が味方になってしまう。

例えば、人気のある敵キャラクターが、そのキャラクターより強い敵が消えてもなぜか生き残って行く

などのように、キャラクターの人気を優先して物語展開が
歪んで行くことが起こってしまうのです。

物語が一度歪んでしまうと、修正するのは結構しんどくなってしまいます。

そして、歪んだ物語は大抵衰退に向かって行ってしまうのです。

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その他の禁断行為
1.作品を他の雑誌に異動させる
2.もめ事を見せてしまう
3.突然の休載が多くなる
4.特定の信条などを作品で発露する
5.作者が犯罪を犯す


1.作品を他の雑誌に異動させる

少年ジャンプの大ヒット作品が集英社の他のマンガ雑誌に異動することはまずありません。

しかし、
そこそこのヒット作だったり、打ち切りになるか微妙な作品だったりすると、突然他誌に異動にされることがあります。

またこのサイトでも取り上げた『ワールド・トリガー』のように、作者の
体調不良によって異動されることもあります。

さらに体調不良ではないのですが、
作者の作品製作上の問題で、週刊ではない月刊雑誌に異動になることもあります。

いずれも
読者に相談されることはなく、雑誌上で突然発表されることが多いです。

つまり、読者の希望ではなく
制作側の都合で異動が行われるため、異動で作品の人気が上がることはまずありません。

異動先で知らない間に終わっていたということも多いです。

またコアなファンだけがその雑誌について行き、連載自体は継続されても、他の読者からは
まだ続いてたんだ!
と思われるような作品になってしまうことも多いのです。

つまり、他誌への異動は作品を衰退させることにしかつながらない場合がほとんどなのです。

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2.もめ事を見せてしまう

作者も人間、編集者も人間である以上、
相性というものがあり、凄く良い関係ばかりではありません。

また作者の中には個性的な人もいて、出版社という会社組織の考えに
なじまない人もいます。

個人で行うプロスポーツ選手(
テニスプレーヤーなど)なら、自分と相性の悪いコーチや会社とは契約しなければ済むのですが、少年ジャンプの場合、漫画家と編集者はそうは行かないようです。

会社側が編集担当を指名し、漫画家には
拒否権は無いようなのです。

そうなると、相性が合わないこともあるでしょうし、編集者が会社の方針を作家に従わせられないこともあると思います。

一言で言うと、作家と会社側の
関係が悪化するのです。

関係が悪化しても表面化しないと良いのですが、作家が
「あとがき」やSNSなどで、
「本当は作品をこう書きたかったのに・・・」
などとトラブルがあったことをにおわしたりすると、問題が大きくなって行きます。

読者にとって、作家と会社側のトラブルを見るのは、全く
楽しくありません

むしろうんざりして、作品を読むテンションが
落ちる場合が圧倒的に多いです。

作者と会社のトラブル表面化は、読者にも制作側にも
何の得もない、まさに禁断の行為なのです。

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3.突然の休載が多くなる

少年ジャンプの休載には大きく2つあります。

1つは、あらかじめ「休む」と
予告して休む休載です。

会社員で言うと「
有休」みたいな感じで、作家にも様々な個人事情もあるので、当然休むことはあります。

これは予め分かっているので、まず問題にはなりません。

問題は、
突然の休載です。

「今号の〇〇は
作者急病により休載致します」
などと書かれ、別の作家の読切作品が掲載されたりします。

その連載を楽しみに雑誌を購入した読者にとっては、
金返せ!
と言いたくなるぐらいの所業です。

作者も人間なので、急病になることはあると思います。
ですので、稀にそんなことがあっても、読者は不満を抱えながらも
我慢します。

しかし突然の休載が
頻発するようになると、読者も怒って来ます

僕の知人は
「しょっちゅう突然の休載をする作者は、
人として駄目だから、そんな人の作品は読みたくない」
と言っていました。

確かに読者だって、仕事や学校を休みたいと思っても、
歯を食いしばって出かけることも多いのです。

しかも仕事での突然の休みは、お客様や同僚に迷惑をかけることも多いので、繰り返すと企業側から
ペナルティを課せられることさえあるのです。

なので編集者や印刷所の人に
迷惑をかけるのを分かっていながら、突然の休載を作者が繰り返すことに、読者が怒りを覚えるのは当然と言えば当然なのです。

突然の休載は、楽しみにしている読者を裏切るだけではなく、その行為自体で作者の人間性まで悪い印象を与えるため、作品の人気衰退の
大きな要因となってしまうのです。


余談ですが、週刊で作品を発表することがしんどくて休載が多くなり、それを読者などに責められた時、
絶対に作者が言ってはならない一言があります。

お前らに俺の辛さが分かるか
という意味の一言です。

この一言を言うと、
「暴言を吐いた」
と言って徹底的に皆から叩かれ、最悪業界から
干されてしまいます。僕もそんなことを言う作者の作品は読むのをやめます。

自分が
特別な存在だと勘違いして、この意味の言葉を言った政治家、芸能人や芸術家などがいましたが、非常にヒンシュクを買って、その後低迷してしまいます。

なぜ言ってはダメかというのは、それらの一言を言った有名人を支えているのは誰かを考えると分かります。

支えているのは、毎日を
平凡に頑張っている
「お前ら」
なのです。

だからこそ、その支えている人達を
侮辱するようなことは、絶対に言ってはならないのです。

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4.特定の信条などを作品で発露する

作者といえども人間なので、
強い宗教的信条や政治的信条を持っていることもあります

それ自体は当然なのですが、その特定の信条などを
作品に入れ込んでしまうと、作品の人気に大きな問題が生ずることがあります。

例えば、特定の宗教シンボルを作中人物に敬愛させる。

例えば、現実の政治団体の考えと同じようなことを、作中人物に語らせる。

例えば、特定の国を登場人物に素晴らしいと礼賛させる。

などということを作品で行うと、その考えに賛同できない読者が離れて行きます。

離れて行くだけならいいのですが、
論争に発展したりすると、最悪連載ストップになってしまいます。

日本は
特定の宗教観が強くない国なので、作品に宗教的施設などが出ても大きな問題になることは少ないですが、その宗教と相容れない宗教観を持つ国の人が読んだら反感を持つかもしれません。

少年ジャンプ編集部もそのあたりはよく心得ていて、作品で作者が特定の信条を発露することは、まずありません。

恐らく社内に
表現のルールが定められていて、作品がそのルールに抵触しないか、かなり厳しくチェックしているのだと推察できます。

しかし作家も編集者も
予期していない表現が、特定の信条と取られかねない場合が無いとは限らず、もしそう取られてしまうと、作品は衰退して行ってしまうのです。

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5.作者が犯罪を犯す

少年ジャンプの作者が犯罪を犯すと、作品は衰退どころか
即刻打ち切りになります。

滅多にありませんが、2020年に『アクタージュ』という作品の原作者が犯罪を犯し、作品は即刻打ち切り+既刊本は
絶版の上、在庫は破棄ということになってしまいました。

僕は『アクタージュ』が非常に好きでこのサイトでも取り上げていたのですが、犯罪者が作者の
未完作品を殿堂入りにはできないと判断し、苦渋の思いで掲載をやめました。

このように作者の犯罪は、
作品の命を絶ってしまう、愛読者にとって最も辛い禁断行為なのです。

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このページの要約
マンガ界にも禁断行為があり、ここでは作品を衰退させるという観点から管理人の考える禁断行為をご紹介する。

1,物語展開上の禁断行為
1,死人が本当によみがえる。2.時を止めたり戻したりできてしまう。3.夢オチ。

2.作品制作上の禁断行為
1.他媒体の登場人物を突然本編に登場させる。2.商売を最優先させる。3.キャラクターの人気を優先させる。

3.その他の禁断行為
1.作品を他の雑誌に異動させる。2.もめ事を見せてしまう。3.突然の休載が多くなる。4.特定の信条などを作品上で発露する。5.作者が犯罪を犯す。

これらの禁断行為が行われると、作品は衰退して行く。

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