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週刊少年ジャンプ作品衰退の法則
★このページの初出 2021年4月11日
★このページの最終更新日 2021年4月18日
2.主人公が長期間登場しなくなる
<このページの目次>
1.主人公は物語の中心
2.主人公が登場しなく作品がある
3.なぜ主人公が登場しなくなるのか?
4.主人公が長期間登場しないと作品は衰退する
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1.主人公は物語の中心
長年週刊少年ジャンプを購読していますが、主人公がいない作品は記憶にありません。
特にヒットした作品には、必ず
魅力的な主人公
がいたと言っていいと思います。
文芸作品には、主人公がいない物語というのも存在しているのですが、こと少年ジャンプについては主人公がいない作品はほぼ無いのです。
そして、主人公は当然物語の
中心
です。
少年ジャンプの多くの物語は、主人公の成長や成功を描いて行くからです。
またギャグ漫画についても、必ずアクの強い主人公を巻き込んで笑いが展開されて行きます。
ジャンプ作品にとって、主人公は極めて重要なのです。
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2
主人公が登場しなくなる作品がある
長らく少年ジャンプを愛読している中で、もう随分前に、結構気に入っていたスポーツマンガがありました。
爽やかな主人公が成長して行く姿がとても丁寧に描かれ、単行本は買わなかったですが、とても好きな作品でした。
ところがある頃から、その素晴らしい主人公が登場しなくなり、変わりに
チームメートの話
が中心になってしまいました。
正直全然つまらなくなって、読む気力が著しく無くなりました。。
他の読者もそう思ったのか、結局その作品はせっかく何年か続いたのに打ち切られてしまいました。
またあるメガヒットしたバトル物のマンガでも、ある時期から主人公の登場が著しく減り、面白く無くなって惰性で読むようになってしまいました。
他にも僕が好きでない作品でも、主人公が登場しなくなることは、時々おきていました。
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3
なぜ主人公が登場しなくなるのか?
この章の1で書かせて頂いた通り、本来主人公は
作品の中心
です。
なぜその中心が登場しなくなるということが起きるのでしょうか?
考えてみれば
不思議
です。少年ジャンプ以外の読者にとっては、信じ難いことではないでしょうか?
もちろん作品によってその理由は異なるでしょうが、ここでは登場しなくなる理由を、管理人が勝手に想像してみたいと思います。
1.人気低迷に対する打開策
2.キャラクター人気投票結果を反映
3.作者側の都合
1,人気低迷に対する打開策
連載が続いて行く内に、読者アンケートの結果から人気が落ちて来ているのが分かることがあります。
その対策として考えられるのが、
ストーリーの変更
です。
人気が落ちているということは、物語自体が
面白くない
ということが一番考えられるので、ストーリーを修正するのが最も効果的なのです。
ストーリーを修正する際、物語の中心である主人公をどう扱って行くのかは、重要な検討材料です。
・主人公をそのままで、物語の展開を変えるのか?
・主人公に設定を盛り、新たな重要登場人物と相対させるのか?
・今までの
主人公を諦め
、新たな魅惑的な主人公を創り出すのか?
などと主人公にも様々な検討が行われ、検討の結果主人公の登場回数が減って行くことになるのです。
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2.キャラクター人気投票結果を反映
週刊少年ジャンプの特徴の1つとして、作品登場キャラクターの
人気投票
を行うというのがあります。
連載〇周年記念とか、〇〇話達成記念などで行われる訳ですが、この人気投票の結果が主人公の登場回数に
影響を与えている
という印象を持つことがありました。
この人気投票では、主人公が1位になることもありますが、案外サブキャラクターが1位になることが多いです。場合によっては悪者や
ライバル
の方が、主人公より上位になることもあります。
物語の中心である主人公より、他のキャラクターが上位に行くのは何故かについて、管理人の考えをお伝えさせて頂きます。
・
物語の展開上
、主人公より感情移入しやすい展開のキャラクターだった。
・主人公より、容姿が良いキャラクターだった。
・主人公は超人過ぎて、他のキャラクターの方が親しみやすかった。
・主人公より個性が強く、印象が強いキャラクターだった。
・物語の展開上、主人公の活躍が少なかった
などの理由で、キャラクター人気投票で主人公より人気が高いキャラクターが
往々にして現れる
と考えられるのです。
そういうキャラクターが存在して、なおかつ作品の
人気が上がっていない
と、
「人気のあるキャラクターを中心にストーリーを構築した方が、作品全体の人気も上がるのではないか」
という考え方が作者側に出て来ます。
その結果主人公の登場機会が減り、読者アンケート上位のキャラクターの登場機会が増えるのです。
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3.作者側の都合
下記のような作者側の都合によっても、主人公が登場しなくなることも起こると管理人は考えています。
a.作者が肩入れするキャラクターが現れる
少年ジャンプを読んでいると、
「このキャラクターは、作者にとって主人公より魅力的なのではないのだろうか?」
と想像できることがあります。
そういうキャラクターは、主人公より登場回数も多くなり、深く人物造形されて行きます。
作者も人間なので、
自身の成長
と共にキャラクターに対する思いも変わり、当初の主人公より思い入れができるキャラクターを作れるようになり、そのキャラクターに肩入れするようになったりするのです。
b.商売が優先される
また作中のサブキャラクターが映像や演劇などの
別の媒体
で主人公で活躍する場合なども、本編でもそのキャラクターの活躍の方が主人公より多く描かれるということがあります。
「連動企画」「タイアップ」などと称され、それまでのストーリーとは別の話が展開されたりします。
従来の主人公は脇役に成り下がり、別の媒体で主人公のキャラクターが主人公となり、物語が展開して行ったりします。
c.作者がキャラクター達に平等にスポットを当ててしまう
意外と多い
のが、作者が自分の作ったキャラクターを
愛するあまり
、それぞれにスポットを当てた話を続けてしまい、主人公が登場しなくなるというパターンです。
例えば
、ある部活に何人かの魅力的なキャラクターを創った場合、それぞれ一人一人の成長物語を描いて行ってしまうのです。
そのキャラクターの生い立ちや部に入った理由、仲間やライバル達との切磋琢磨、そして目指した舞台での活躍・・・物語の主人公のことはそっちのけで、サブキャラクターの話をずっと続けてしまうのです。
しかも一人だけではなく、
次から次に
サブキャラクターの成長を描いて行くのです。
これをやると、本当に長期間主人公は主人公としては登場しなくなってしまいます。
これらabcのような作者側の都合によって、主人公が登場しなくなることも時々起こるのです。
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4
主人公が長期間登場しないと作品は衰退する
主人公は作品の中心ですから、主人公が長期間登場しないということは、作品全体の中心も分かりにくくなります。
仮に新たに登場した魅力的なキャラクターが中心の話が展開されて行ったとしても、読者は連載当初に設定された
主人公の目的
を忘れていません。
そもそも作品に人気が出たのは、主人公が魅力的でその目的にも読者が共感できたからです。
その主人公が登場しなくなり、別のキャラクターの話ばかりが展開されると、読者は
「一体今の話は
何を目的に展開
されているのか?」
という疑問を持ってしまいます。
物語の中心が分からなくなってしまうのです。
さらに
主人公のファンの読者
にとっても、主人公が登場しないのはストレスになります。
主人公の成長や活躍が読みたいのに、全く違うキャラクターの話ばかりが描かれ続けると、
うんざり
してしまいます。
主人公が長期間登場しないことで物語の中心が分からなくなり、主人公のファンの支持も失うと、作品は衰退に向かいます。
しかも衰退に向かい始めてから急に主人公を復活させても、それまでの人気を取り戻すのは
容易ではありません
。
これはマンガだけではありませんが、一度衰退し始めた事象を反転させるのは難しいのです。
例えて
いうと、それまで上から下に流れていた川が、逆に下から上に流れ始めたのですから、それを元に戻すには相当なエネルギーがかかってしまうのです。
主人公の登場回数が減り、作品が衰退に向かってしまうと、多くの場合衰退が一層加速されて行くのです。
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このページの要約
少年ジャンプにおいて主人公は作品の中心であり、極めて重要な存在だ。
だが、主人公が長期間登場せず人気が低迷して行った作品があった。
主人公が長期間登場しなくなる理由は、1.人気低迷に対する打開策。2.キャラクター人気投票結果の反映。3.作者の都合などが考えられる。
主人公が長期間登場しない作品は、衰退に向かう。衰退に向かい始めて再び主人公を登場させても効果は薄い。
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