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作品名 秩父・奥武蔵散策絵図 作者名 村松昭
ちちぶ・おくむさしさんさくえず むらまつあきら


  ★このページの初出
  2020年6月14日

  ★このページの最終更新日
  2020年7月29日


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地図の芸術品!

出版社 アトリエ77
初出・連載時期 1984年初版
管理番号 b8-other1

作品概要 作者紹介
埼玉県飯能市付近から秩父市(旧大滝村)付近までを鳥瞰した絵地図。秩父・奥武蔵付近の観光がイメージできる! 1940年千葉県市川市生。東京都府中市在住。桑沢デザイン研究所などでデザイン・油絵・リトグラフを学ぶ。主な作品に「多摩川散策絵図」「日本の川いしかり川」「北陸新幹線鳥瞰絵巻」など。

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この作品を殿堂に入れようと思った理由です。

美しく情報も集積された地図
非常に丹念に手書きされた絵地図。
現在地図といえば実測に基づいた道路地図などのいわゆる「MAP系」、観光地や飲食店などを案内する、「案内図系」が多いと思います。
しかし村松昭氏の地図はどちらでもありません。
作者の絵の技量と、掲載する情報選択センスを生かした美しさと情報を併せ持った地図です。

2 想像力を刺激する地図
旅行の醍醐味は、実際にその場所に行って体験するだけではありません。行く前にその場所を想像したり、行った後に反芻するのも、醍醐味に含まれます。
村松氏の地図は、実際の旅行中も使えますが、むしろ旅行の計画や、旅行を思い出す時に真価を発揮します。
旅への気持ちを高める地図なのです。











3 鳥瞰できる地図
google mapやカーナビなどは、地形や建物情報を極めて正確に映し出します。行き先を探すのには、これ以上のものはないと言えます。
しかし鳥瞰するのは苦手です。鳥瞰するには、地図作成者の情報の収拾という主観が必要だからです。
村松氏の地図は、作者により必要な情報が過不足無く与えられ、その地区にどんな魅力があるかがよく伝わって来ます。











4 携帯できる地図
1枚の紙地図なので、携帯が楽です。昔は紙1枚の地図というのは当たり前でしたが、今は旅行に紙の地図を持って行く人は少数派ではないでしょうか?
村松氏の地図一枚と、スマートフォンがあれば、旅の途中で旅程を立てる時などに大変重宝します。











5 改訂されている地図
MAP系の本の地図や、旅行案内系の本の地図は毎年改訂されているものがあります。道路や建物は毎年のように変化しているからです。
村松氏の地図は毎年改訂する必要は無い物ですが、それでも地図である以上改訂は必要です。
「秩父・奥武蔵散策絵図」は1984年初版の後、1999年に改訂され、僕の持っているのは2015年改訂の3刷です。
改訂には相当なエネルギーがかかると思いますが、作者は定期的に真摯に改訂しているのです。

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地図なので、管理者に特にインパクトのあった描写をピックアップします。

秩父札所めぐり
1.四万部寺〜34.水潜寺 
秩父の34の観音霊場が全て書かれています。
インターネットで調べたり、観光案内図を手に入れれば34か所の場所は分かりますが、この絵図ではそれぞれの寺が、山の奥にあるのか、川の近くにあるのか、町中にあるのか、一枚の地図で鳥瞰することができます。
場所のイメージがしやすいので、巡る時のイメージがしやすいです。

竜勢祭り
旧吉田町付近 
旧吉田町の椋神社の横に、ロケット花火のような絵と「10/5秋まつり」と書いてあります。これはこの地方では有名な「龍勢祭り」のことです。ロケット花火のようなものは、「龍勢」と呼ばれる、木でできたロケットのような物です。この絵と文字で、ここで秋にロケットのような物が打ち上げられると分かります。
さらに近くには片手を上げる農民の絵と「秩父事件」という文字が書いてあり、ここで何かがあったこともイメージできます。












鳥・動物・植物・人達
地図の全般に絵が描いてあります 
あちこちに鳥の絵や、「幻のニホンオオカミ」と書かれた絵、「ツツジ」「ブドウ」「ミカン」の絵が描かれています。他の地図では鳥の名前やキツネやツキノワグマなども描いてあり、動植物の存在がイメージできます。
釜伏山付近には「ヤマトタケル」の絵が描いてあり、縁があることがイメージできます。
釣り人や登山人の絵も沢山描いてあり、その場所で何ができそうかも思い浮かべることができるのです。

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管理人と作品との関わり、読む際に知っておくと一層楽しめる情報、管理人個人の期待や意見です。

以前テレビで紹介されていて、素晴らしさに感動して手に入れた地図。

その時の作者インタビューでは、実測地図(地形図)を基にして、実際の場所に足を運んだりしながら、1年がかりで仕上げるということでした。

登山などで使用するのではなく、旅を計画したり思い出を反芻するのに適しているとお話しされていました。

絵地図は元々は外国から入って来た地図で、日本で数人作成している、というようなこともおっしゃられていました。

現物を見てみると、恐ろしい程の情報が一枚の地図に入っていることが分かります。
実測図を基にしているので、例えば線路や道路がどんな風にどこにつながっているのかなどをイメージでき、その地区全体がどんな風土かまでイメージできます。

さらに紅葉が美しい山は赤褐色で描いたり、冬が厳しい山は白で描いたり、場所によっては「石灰」「コンニャク」「和紙」などと書いてあり、その場所がどんな特徴があるのかまで分かります。

文字情報に英語を足せば、日本旅行のおみやげにも適していると思います。

ただ、作者も高齢になられて来ているので、これからは地図の更新も難しいかもしれません。

後継者がいるのかどうかは分かりませんが、ぜひ絵地図の伝統は続いて行って欲しいと思います。


実物を見ると、作者が非常に手間と愛情をかけて作成しているのが分かる、まさに芸術品と呼ぶにふさわしい地図です。

また地図というのは、その場所の「その時の様子」が分かる貴重な資料でもあります。
もし村松氏の数々の地図を時系列で残して行けば、その地区が数十年の間にどんな変遷をしたかが、一目で分かります。

作者のアトリエのある府中市も、村松氏の絵地図を文化遺産として残して行かれると、観光資源にもなりますし、貴重な地図資産になるのではないかと思います。

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作品を今読むにあたっての注意点、版元の変遷、作家のその後など作品・作者について管理人が
必要だと思った情報を掲載しておきます。

地図本体に書いてありますが、
「この絵図は登山地図ではありません。登山には正式な地形図、登山地図をご持参ください」。

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このページを作成する時に使用した作品の詳細を底本として記載しておきます。
また参考にした書籍・サイト・ブログなども掲載させて頂きます。
さらに関連して読んで頂きたい書籍・サイト・ブログなども掲載させて頂きます。

底   本 2015年5月改訂3刷を元にこのサイトを作成
参   考 特に無し
関   連 版元オフィシャルサイト

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「秩父・奥武蔵散策絵図」を購入されたい方のための情報
※必ずこの表中段の「購入にあたっての注意点」をお読みください
「秩父・奥武蔵散策絵図」の現在の販売状況
最も確実に入手できるのは、作者村松昭氏の府中市にあるアトリエ77です。
またオフィシャルサイトによると、日本橋「ぶよお堂」や「モンベル」の店頭でも、一部商品が購入できるようです。
インターネットではamazonで販売されているようです。
購入にあたっての注意点
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「本を購入してみたが、このサイトに書いてあるようには感じなかった」
「サイトに書いてあるほど面白くなかった」
等の苦情・意見は一切受け付けませんので、購入の際は十分留意してください。
購入サイト紹介
※右段のリンクから購入サイトへ移動できます
最も安心! 作者村松昭氏の東京都府中市のアトリエ77サイトで直販しています。送料がかかりますが、作者と直接コミュニケーションが取れるので、お勧めです。
またアトリエに直接行くことができるなら、素晴らしい実物を見ることもできるので、一番良いと思います。
版元(アトリエ77)サイト
発送早く、送料無料の場合有り!
amazon
※中古品もあるので、気を付けてお申し込みください

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